2015年6月21日日曜日

【賛助会員募集】

平成26年度分の事業報告等を公開しました。
特定非営利活動法人うぐいすリボンは、今年度も日本財団から情報開示レベル5つ星(最高)の評価を得ることができました。
http://fields.canpan.info/organization/detail/1500866312

賛助会員を募集中です。「自由な社会」と「豊かな文化」を次の世代に遺すために、ぜひ活動に御協力くださいませ。
http://kessai.canpan.info/org/uguisumembers/



2015年6月20日土曜日

「同人誌調査員」の委託業務に関して

【6月20日・追記:結果について】

「同人誌調査員」として選抜された方には、6月20日に、研究主宰の白田秀彰先生から、調査票に記入したメールアドレス宛ての通知が発送されました。残念ながら選ばれなかった方には、特に連絡等はございません。応募者の方は、各自メールをご確認下さいますよう、よろしくお願いいたします。


【5月24日・追記】 調査員の応募は定員になりました。キャンセルで空きが出る可能性があります。



 法政大学の白田秀彰先生が、著作権とキャラクター表現の問題について研究するために、「同人誌調査員」を一般から募集されるとのことです。


 6月14日に説明会を開催しますので、夏休みに研究調査のバイトをしたい学生さん等は、ぜひご参加くださいませ。


業務期間:

8月24日~9月12日間の図書館開館日のうちから任意の3日間を選ぶことが可能です。
ただし、図書館側との調整で期間が少々変動することがありえます。

勤務場所:

明治大学 米沢嘉博記念図書館 (御茶ノ水)です。

業務内容:

指定されたマンガ同人誌を読んでキャラクターの類似性の判定を行い、指定されたチェックシートに記入していただきます。

報 酬 :

マンガ同人誌一冊すなわちチェックシート一枚当たり1000円。一人当たり40冊程度割り当てとなりますので、40000円前後となります。
具体的な割り当て数には変更がありえます。
また、上限付きですが、自宅とお茶の水間の公共交通機関利用での交通費も支給されます。

研究主宰:

白田秀彰 (法政大学社会学部 准教授)

事前選抜:

採用のための事前選抜を6月14日(日)の18時30分から「文京スカイホール」にて開催します。
調査員志願者は、この事前選抜に参加して下さい。配布する調査票に記入をして頂きます。(拘束時間30分程度)
事前選抜に参加して下さった方には、採用・不採用に関わらず、薄謝として1000円を支払います。

持参するもの: 

マークシート記入用鉛筆 / 領収書記入用ボールペン等 / 印鑑を準備してください。(印鑑を持たない方もサインで対応できます)

2015年6月14日日曜日

「マンガ・アニメ・ゲームキャラクターの人物表現における類似判定に関する調査」報告会

 2015年6月14日に開催した「マンガ・アニメ・ゲームキャラクターの人物表現における類似判定に関する調査の中間報告会」には、著作権や同人文化に興味をお持ちの方を中心に約70人が参加して下さいました。また、同時に開催した「同人誌調査員」の選抜会にも多数の方が応募して下さいました。参加者・応募者の皆様に、この場を借りまして、御礼を申し上げます。


報告者:白田秀彰 (法政大学社会学部 准教授)

(写真提供:マンガ論争編集部)


日時: 2015年06月14日(日) 18時30分から
場所: 文京シビックセンター26階・スカイホール

内容: 
 著作権のあり方とキャラクターの表現の類似性の問題について、調査研究を行っている法政大学の白田秀彰准教授をお招きして、現在行っている実証研究の中間報告をして頂きました。 



【報告者:白田秀彰氏より】
 マンガ・アニメ・ゲームを主題とした二次創作同人誌は、一般的な認識として、何らかの形態で著作権を侵害しているものと評価されている。こうした一般的な認識があるため、法の改正や侵害規定の変更で、取り締まりが強化されるという懸念を生んでいる。たとえばTPPに伴って非親告罪化されれば、著しく取り締まりが強化されるといった主張である。 

 ところが、著作権の判例や学説をみると、著作権の侵害は、特定の部分ではなく全体的な類似性で評価されるべしとされており、あるいは創作性のある部分のみが保護され、事実の記述や平凡な表現が類似していても侵害ではないとされている。また、画風や作風は保護の対象ではなく、具体的な表現ではないアイデアもまた保護の対象ではないとみるのが通説である。 

 すると、二次創作同人誌は、原作から逸脱した物語に原作とは別の構図やポーズの絵を組み合わせて制作されているのだから、そもそも著作権を侵害したことにはならないと考えるべきである。しかし、そのように一般に認識されていない理由は、原作の「世界観」や「キャラクター」を用いているからであると考えられる。ところが「世界観」はまさにアイデアであり、これを著作権で保護することは困難であろう。また「キャラクター」については著作権の保護が及ばないことが通説である。とすれば、二次創作同人誌は本質的に著作権侵害にあたらないことになる。 

 この問題点に気が付いている一部の実務家や研究者は、絵画表現としての「キャラクター」に対して著作権の保護を及ぼすべきことを主張している。その立論には一定の説得力があると考える。とはいえ、それは原作の「キャラクター」を用いた場合である。二次創作同人誌で描かれている「キャラクター」が、そもそもオリジナルと似ていなければ、「原作へのアクセス」と「原作との類似」で侵害となるとする著作権法の原則から考えて、侵害に当たらないと考えるべきだろう。 

 こうした問題意識を背景にして、2012年から2014年まで、一般の人がマンガ・アニメ・ゲームキャラクターの人物表現に対して、どのように「似ている・似ていない」を判定し、またそれはどのような傾向を持つのかを調査してきた。その結果、調査用に準備したキャラクターのイラスト群に対して、一般的な傾向が存在することが明らかになった。2015年では、この一般的な傾向と合致する類似判定を行う調査員を10名程度集め、さらに類似判定に関する調査を継続する予定である。 

 本報告会は、2014年までの研究の成果概要について報告し、関心のある諸氏と意見交換し、また、2015年調査のための調査員選抜のためのアンケートを実施することを目的としている。性質上、アンケートは報告会に先だって行われる。拘束時間は30分ほどを予定している。このアンケートには謝金が支払われる。一般的な類似性判定傾向をもつとして選抜された被験者には、調査員として業務の委託を依頼する予定である。この業務の期間は、8月24日~9月12日のうち任意の三日を予定している。 (白田秀彰)


参照:
 コンテンツの創作・流通・利用主体の利害と著作権法の役割