2019年12月1日日曜日

映画「春画と日本人」ロングラン記念スペシャルトーク

ポレポレ東中野にてロングラン上映中のドキュメンタリー映画「春画と日本人」、12月1日(日)の20時からの上映回終了後、うぐいすリボン理事の荻野幸太郎が、大墻敦監督と登壇してトークをさせて頂きました。ご来場くださった皆様、ありがとうございました。



映画パンフレットの方にも、「表現規制と春画」というテーマでコラムを寄稿させて頂いております。ぜひ併せてこちらもご覧くださいませ。



ポレポレ東中野ロングラン記念スペシャルトーク
https://www.mmjp.or.jp/pole2/

イベント情報
☆ロングラン記念スペシャルトーク

11/16(土) 20:00の回上映後 トークイベント
 ゲスト : 内藤正人(慶應義塾大学教授・本作出演) × 大墻敦(監督)

11/23(土) 20:00の回上映後 トークイベント
 ゲスト : 吉田晃子(芸術新潮編集長) × 大墻敦(監督)

11/26(火) 20:00の回上映後 トークイベント
 ゲスト : 浅野秀剛(国際浮世絵学会理事長・本作出演) × 大墻敦(監督)

12/1(日・サービスデー) 20:00の回上映後 トークイベント
 ゲスト : 荻野幸太郎(NPOうぐいすリボン) × 大墻敦(監督)

12/6(金・サービスデー) 20:00の回上映後 最終日舞台挨拶
 ゲスト : 大墻敦(監督)


2019年11月24日日曜日

表現の自由と適正な行政手続を考える

演題:表現の自由と適正な行政手続を考える

日時:2020年1月25日(土) 10:30~12:00
場所:文京シビックセンター26階 スカイホール
講師:大島義則さん (弁護士)

要申込:Peatix から

内容:
 近年、青少年健全育成をめぐる行政活動の妥当性が再び問題となっています。近親相姦描写により東京都で不健全図書の新基準が初めて適用された『妹ぱらだいす!2』や、エロ表現の歴史を分析した『エロマンガ表現史』などが議論となり、最近でも秋葉原のアダルトゲーム屋外広告に関する自治体の対応が話題になったところです。
 青少年健全育成をめぐる行政活動をどのように考えていけばいいでしょうか。「表現の自由」という観点から議論となる行政活動のあり方について、公法学習者のための小説『憲法ガール』『行政法ガール』などで知られる弁護士の大島義則さんに解説をして頂きます。

主催:うぐいすリボン




皆様へのお願い
 活動を継続するために、皆様からの寄付を必要としています。クレジットカード、銀行振込、ゆうちょ振替で簡単に決済できます。ぜひご協力ください。昨今、表現の自由についての関心が高まっているので、今回のような初学者にも分かりやすい入門の機会も引き続き設けていきたいと考えています。


トークイベント「わいせつ表現規制を考える」②

トークイベント
 シリーズ「わいせつ表現規制を考える」
 第2回「長い闘いには若い人が必要だ」



 刑法175条「わいせつ物頒布等の罪」を中心に、わいせつ表現規制の問題について、NPOうぐいすリボン理事の荻野幸太郎とゲストがトークを繰り広げます!

 第2回目のゲストは「早稲田大学エロ漫画研究会」の皆さん。東京都の不健全指定図書を取り上げる読書会の開催や、国連児童権利委員会への意見書提出に関わってきたこれまでのエピソードを振り返りつつ、ワイセツ規制の見直しを目指す取組みについてお話をうかがいます。また、昨今の性表現規制問題とジェンダー・セクシュアリティ関係の社会運動との乖離についても、トークを展開する予定です。

【出演者情報】
 ゲスト:早稲田大学エロ漫画研究会から
 司会:荻野幸太郎(うぐいすリボン理事)

【開催日時】
 2019年12月7日(土)
 開場時間 18:00
 開演時間 18:30

【会場】
 高円寺パンディット

【参加料金】
 前売料金 ¥1500(+要ワンオーダー)
 当日料金 ¥2000(+要ワンオーダー)




皆様へのお願い
「表現の自由」のための活動を継続するために、皆様からの寄付を必要としています。クレジットカード、銀行振込、ゆうちょ振替で簡単に決済できます。ぜひ御協力くださいませ。今年度からは主な活動の一つとして、刑法175条の問題に取り組んでいます。

2019年10月19日土曜日

トークイベント「わいせつ表現規制を考える」①

トークイベント「わいせつ表現規制を考える」
  第1回「そろそろ刑法174条(公然わいせつ)と175条(わいせつ物頒布)を見直しませんか?」



 刑法175条「わいせつ物頒布等の罪」を中心に、わいせつ表現規制の問題について、NPOうぐいすリボン理事の荻野幸太郎とゲストがトークを繰り広げます!
 第1回目のゲストはライターの松沢呉一さん。これまでポルノやセックスワークの規制問題について積極的に発言してきた松沢さんに、現在Web連載中の「そろそろ刑法174条(公然わいせつ)と175条(わいせつ物頒布)を見直しませんか?」についてお話をうかがいました。

【出演者情報】
ゲスト:松沢呉一さん(ライター)
司会:荻野幸太郎(うぐいすリボン理事)

(撮影:永山薫)

イベント振り返り:
 ■ 「わいせつ表現規制を考える@高円寺パンディット」で考えたこと (松沢呉一)
 ■ よその国の現実を知りたい 他国を手本にせずに参考にする(松沢呉一)

【開催日時】
2019年10月19日(土)
開場時間18:00
開演時間 18:30

【開催場所】
高円寺パンディット

【参加料金】
前売料金 ¥1500(+要ワンオーダー)
当日料金 ¥2000(+要ワンオーダー)




皆様へのお願い
「表現の自由」のための活動を継続するために、皆様からの寄付を必要としています。クレジットカード、銀行振込、ゆうちょ振替で簡単に決済できます。ぜひ御協力くださいませ。今年度からは主な活動の一つとして、刑法175条の問題に取り組んでいます。

2019年10月16日水曜日

韓国における児童ポルノの定義の拡大


 この文書は、2019925日に韓国の社団法人オープンネットが国連児童権利委員会に提出した意見書を、日本語に仮訳したものです。
同委員会が策定(910日公表、926日ローンチ)した「児童ポルノ選択議定書の実施に関するガイドライン」が、児童ポルノの定義を実在児童が登場しない仮想児童ポルノにまで拡大していることについて、懸念を表明する意見となっています。



韓国における児童ポルノの定義の拡大



1. はじめに
Open Netは、インターネットの自由とデジタル・ライツの擁護を使命とする韓国の市民団体です。国連経済社会理事会(ECOSOC)におきましては、「Open Net Incorporated Association」という名称で特別協議資格を有しております。
 私たちは、児童を虐待や性的搾取から保護する国連のすべての取組み、特に児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書の実施に関するガイドライン(以下「ガイドライン」)の起草と、今日におけるデジタル環境の検討に関しての取組みについて、尊重し支援します。このガイドラインには、できるだけ早急に実行されるべき多くの側面が存在します。しかしながら、このガイドラインのいくつかの側面、特にパラグラフ63における児童ポルノ、または「児童性的虐待素材(CSAM)」の部分につきましては、いくらかの検討が必要です。
私たちは、実際または実在の児童に関係するCSAMは根絶されるべきであり、そのようなCSAMの製造、提供、所持については厳しく処罰されなければならないと考えています。しかしながら、私たちの経験は、実在児童が関わるCSAMと同様に、非実在の児童または児童のように見える人物、たとえば絵、漫画、アニメ、仮想表現といったCSAMを処罰してしまうことの落とし穴について教えてくれました。


2. 韓国の児童青少年性保護法における「児童ポルノ」の定義
児童青少年性保護法(以下、「児青法」)は、児童ポルノの定義について現在では次のように定めています[i]

児童・青少年または、児童・青少年と明確に認識されうる人や表現が登場し、①性交行為、②口腔・肛門などの身体の一部や道具を利用した性交類似行為、③身体の全部または一部を接触・露出する行為で、一般人の性的羞恥心や嫌悪感を催す行為、④自慰行為、のいずれか一つに該当する行為をしたり、⑤その他の性的行為をする内容を表現するフィルム・ビデオ・ゲームまたはコンピュータやその他の通信媒体に表示される画像・映像などの形態になったもの。

児童ポルノの製造、販売、頒布、陳列、所持はすべて韓国で厳しく処罰されており、製造の刑は最も厳しく(無期または5年以上の懲役)、所持の刑は最も軽く(1年以下の懲役または2,000万ウォン以下の罰金)なっています[ii]。「児童性犯罪者」の登録情報は10年から30年間開示および通知され、児童が関連する施設での雇用は、最大10年間制限されます[iii]


3. 2012年における「児童性犯罪者」の22倍の増加()
2011年に、いくつかの連続児童強姦殺人事件が大々的に公表されたことをきっかけに、国会は児青法を改定しました。 この改定は、性的活動に関与する「児童・青少年の描写」という児童ポルノの定義を拡大するもので、「児童・青少年として認識されうる人物または表現」を含むようになりました。この改定は2012316日に施行されました。
児童ポルノ関連の容疑(児青法の第8条)で捜査された人の数は、2012年に2,224人に急増し、前年と比べて22倍以上も大幅に増加しました。

<児青法第8条による摘発件数[iv]
捜査
起訴
不起訴
その他
2010
82
38
26
14
2011
100
58
23
21
2012
2,224
775
433
940

児童性犯罪の件数は増加傾向にありましたが、急激な増加の主な理由は、2011年の児童ポルノの定義の拡大によるものです。韓国で消費される日本のポルノの素材の多くは、学校の制服を着た大人の俳優が演じているものや、児童のように見える漫画のキャラクターのものです。その後、2012年に、ほとんどが20代前半の2,224人が摘発されて、そのような素材をアップロードまたは所持した「児童性犯罪者」として捜査されました。実際に起訴された人々の多くは有罪判決を受け、それに続いて「児童性犯罪者」として登録され、個人情報が一般に開示されて、雇用も制限されることになります。本当の児童とカメラの前でセックスをした犯罪者と同じようにです。これはアニメや俳優の演じたキャラクターが「19歳以上に見える」通常のわいせつ素材の販売業者とは全く異なる取扱いです。
架空の実在しない児童との架空のセックスを、本物の児童とのセックスと同様に扱う韓国の法律は、興味深い結果を生み出しました。アニメキャラクターの裁判を担当した弁護士の1人は、法廷で次のように主張しました。「想像上の性的キャラクターの年齢を理由に処罰をする場合、年齢はどのように測定すればよいのでしょうか。例えば、擬人化された動物や地球外生物はどうなりますか。問題となっている吸血鬼たちの年齢が、平均で100歳を超えているような場合はどうしますか」 弁論を聞いた裁判官は、訴因を児童ポルノからわいせつに変更しました。
捜査された人の数が大幅に増加したとき、起訴の割合が2011年の58%から2012年の35%に低下したことは注目に値します。また、捜査の約半分は「その他」に分類されました。これは、捜査の多くが本物の児童ポルノを含まない事件に関するものだったことを意味します。児童ポルノとわいせつとの最大の違いは、所持のみで処罰されることです。 また、法律は身体部位の露出も罰するため、日本ではR-15とレーティングされている性行為の登場しないアニメをダウンロードしたことを理由に処罰を受けたという事件もありました。
さらに言えば、インターネットで流行している日本の漫画や制服ものポルノをアップロードまたはダウンロードした無知な若者を取り締まる方が、本物のCSAMの製造や児童への性暴力事案のようなより深刻な犯罪を追跡するよりもはるかに簡単だったため、警察官はコンピュータの前で多くの時間を費やしてしまいました。児童強姦事件の被害にあったある女性はテレビで、「私の経験では、ポルノは人々に児童強姦をさせません。そのような性格があり、そうするように育てられた人々は、関係なくそうします。 ネットサーフィンを止めて、外に出てきて、本当の犯罪者を捕まえてください」と訴えました。実在児童と仮想児童に同じ条文が適用されるため、昇進評価に貪欲な警察官たちは、パトロール時間をサイバーパトロールのために費やして、本当の虐待に対処するための警察の仕事を、実際のところは減らしてしまっていたのです。


4. 児童ポルノの定義を絞り込むための児青法の改定
2011年に拡大された児童ポルノの定義が広すぎることに気がついて、2012年の後半に国会は、定義を「児童・青少年または、児童・青少年と明確に認識されうる人や表現」に限定し、所持の処罰を「知りながら」所持していた場合に限定しようとしました[v] しかし、改定された定義は、人々が制服ものポルノや、漫画・アニメで起訴されるのを防ぐほどに明確ではありませんでした。
最終的に、この定義の明確化は、刑事法廷の裁判官たちに委ねられました。 裁判所では非実在児童ポルノについては児童性犯罪事件としては無罪であるという判断が出始めました。2013年には、2人の裁判官が、学校制服ものポルノの事件と、アニメの事件について、児童ポルノ法について憲法審査を求める決定をしました。裁判官たちが児童ポルノからわいせつ罪に訴因を変更するように求めるのに加え、多くの検察官たちが「起訴猶予」という形で事件を終わらせるようになりました。起訴猶予とは、実際のところ、他の犯罪で再び戻ってこない限り、恒久的に起訴されないことを意味します。Open Netは、2013年にアニメの事件で起訴猶予となった人に代わって、児童ポルノ法に対する憲法裁判の訴えを起こしました。その後、2014年に最高裁判所は、制服ものポルノは児青法上の児童ポルノの定義に含まれないと判断し、下級審はアニメ事件を無罪としました。
20156月、憲法裁判所は児童ポルノ法を54で合憲であると判断しました。 反対意見の4人の判事は、「児童として認識できる人物または表象」という定義が明確性の原則に違反しているというOpen Netの見解に同意しました。また、5人の多数意見の判事は、この定義には実在する児童として認識できる人物または表象のみが含まれており、したがって、法律は憲法に違反していないという意見でした。


5. 結論
繰り返しになりますが、私たちは本物または実在する児童を巻き込んだCSAMは根絶すべきであり、虐待者および搾取者は厳しく罰せられるべきと考えています。しかしながら、児童ポルノ法の目標は、架空の漫画キャラクターや童顔の大人ではなく、本当の児童を守ることに焦点を絞るべきです。児童ポルノの定義を存在しない児童のCSAMを含むように拡大した後、漫画やアニメに夢中になっている若者や、時には子どもたちにまで「児童性犯罪者」のレッテルを貼って、その人生を破滅させることのために、多くのリソースが浪費されました。私たちは、リソースは、実際の被害者がいるCSAMの予防と根絶のために、より効果的に使用されるべきであると考えています。




[i] 児青法第2条第4
[ii] 児青法第11
[iii] 児青法第50条、第56
[iv] https://opennet.or.kr/trend/1344 (韓国語)
[v] 2013619日施行

2019年10月4日金曜日

ソウルでの非実在児童ポルノとセックスドール問題に関する会議

 2019年9月、国連児童権利委員会が、児童ポルノ選択議定書の運用ガイドラインを策定しました。存在しない児童の表現への児童ポルノの定義拡大が燻り続けるこの問題について、うぐいすリボンでは懸念を共有する海外の市民団体との国際協力を進めています。

 今回は、非実在児童ポルノ事件で捜査を受ける漫画家や翻訳家等への司法支援活動を展開する韓国のNGOオープンネットさんが主催するトークセッションを後援し、日本からの登壇者として、理事の荻野幸太郎と、ネット・アクティビストの八田真行さんを派遣しました。



トークセッション:
「イマジネーションと行為との差異、そして政府の役割 非実在児童ポルノとセックスドールをめぐる問題」

日時:2019年10月4日(金) 14:45~17:30
場所:スタートアップ・アライアンス・センター(ソウル市カンナム区)




 2019年9月10日、国連児童権利委員会は、各国の児童ポルノ法に、存在しない児童または児童のように見える人の表現を含めることを奨励するガイドライン(パラグラフ63)を発表しました。

“include in their legal provisions regarding child sexual abuse material (child pornography) representations of non-existing children or of persons appearing to be children, in particular when such representations are used as part of a process to sexually exploit children (para. 63).”

 韓国で、児童青少年性保護法が類似の趣旨で改正された際には、児童性的虐待で捜査される人の数が22倍にも増加する事態が起きており、その問題を通じてこのガイドラインの意味について議論しました。また、イマジネーションと行為との間のギャップと、その領域における政府のあるべき役割を、セックスドールの問題を題材に議論しました。

モデレーター:
 パク・ギョンシン (高麗大学教授/オープンネット)

パネラー:
 ダニエル・モグスター (国連人権理事会事務局) 
 荻野幸太郎 (NPOうぐいすリボン)
 ジェレミー・マルコム (プロスタシア財団)
 八田真行 (駿河台大学准教授)
 イ・ソンオク (ライター、ジェンダー・イクオリティ・アクティビスト)
 ヤン・ホンソク (弁護士)
 ケリー・キム (オープンネット)

主催:オープンネット
後援:うぐいすリボン

■ 当日のレポート記事(オープンネット)


(国連表現の自由問題特別報告者のデイビッド・ケイ氏が登壇の予定でしたが、ご親族のご不幸があり、やむを得ずの欠席となりました。また、通信状況の不具合により、髙山佳奈子氏のビデオ参加がかないませんでした)




皆様へのお願い
「表現の自由」のための活動を継続するために、皆様からの寄付を必要としています。クレジットカード、銀行振込、ゆうちょ振替で簡単に決済できます。ぜひご協力くださいませ。昨年度から今年度にかけては、「児童ポルノ選択議定書運用ガイドライン」の問題への対応を行っており、資金を必要としております。

2019年8月24日土曜日

子どもの権利条約と表現規制に関する整理と展望

 2019年8月24日に開催した講演会「子どもの権利条約と表現規制に関する整理と展望」には、法学者やジャーナリストを中心に、約50人の方が参加して下さいました。講師の平野裕二さんと、参加者の皆様に、お礼を申し上げます。

演題:子どもの権利条約と表現規制に関する整理と展望
日時:2019年8月24日(土) 19時から20時30分
場所:文京シビックセンター 26階 スカイホール


講師:平野裕二さん(Action for the Rights of Children代表)

主催:NPO法人うぐいすリボン
共催:女子現代メディア文化研究会

 子どもの権利条約の専門家である平野裕二さんをお招きして、今年3月の国連児童権利委員会からのパブリックコメント募集が話題になった「児童ポルノ選択議定書ガイドライン草案」(特に非実在児童の描写や、文章・音声表現への拡大の問題)の問題と、その背景について解説をして頂きました。

講演抄録「子どもの権利条約と表現規制に関する整理と展望」
(2019年9月17日アップロード)

 ガイドラインの問題に関しては、平野さんがfacebookで記事を書いて下さっているので、ぜひご覧ください。
https://www.facebook.com/yujihirano.arc/posts/569264370235436


参考資料:
 平野裕二 (2002)「子どもの売買、子ども売春および子どもポルノグラフィーに関する子どもの権利条約の選択議定書の解説・翻訳」『AMI連絡帳 Vol.2 マンガ表現規制問題を考える 何が「有害」なのか?』 pp15-21




皆様へのお願い
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2019年5月19日日曜日

2019年5月3日金曜日

『MANGAの自由 平成から令和へ』


平成時代のマンガ規制論争を振り返るインタビュー集『MANGAの自由 平成から令和へ』が、5月12開催「COMITIA128に出ます。
マンガ論争編集長:永山薫の他、前参院議員:山田太郎、AFEE編集長:坂井崇俊、うぐいすリボン理事:荻野幸太郎が結集。
 漫画家の竹宮惠子先生や赤松健先生を始め、平成のマンガ・アニメ・ゲーム等 (MANGA) 規制論争の歴史を知る人々に取材をさせて頂きました!

 表紙は何と竹宮惠子先生の「継がれゆく星」(『地球へ…』)より!

(表紙イラスト/竹宮惠子「継がれゆく星」より デザイン/山田久美子)


COMITIA128 (2019年5月12日) では1000円で販売します!
「ひ35b, AFEE」又は「マンガ論争特設ブース」でお求めください!


MANGAの自由 平成から令和へ』 

 (発行:表現規制史出版会)

MANGA表現の自由を守る闘いに終わりはない
彼らはどう戦い、何を勝ち取ってきたのか?
その歴史と未来を12人に訊いた!

目 次


■マンガ『令和元年のディストピア』/りーるー

■イマココにある歴史と未来/編集部

■巻頭ロングインタビュー

 竹宮惠子 (漫画家/日本マンガ学会会長) を囲んで
 「日本で漫画が発展した理由はコミュニティがあるからなんですよ」

11 人インタビュー

 赤松健 (漫画家) に訊く
 【創作表現規制問題】と【著作権強化による表現規制問題】
 「できれば漫画家主体で出版社と共同でプラットフォーム作ってくっていうのが、望ましい」

 水戸泉 (作家) に訊く
 【民間による規制問題】
 「そんな自主規制おかしいよ! 学園ものBL を取り戻した日」

 藤本由香里 (明治大学教授) に訊く
 【創作表現規制問題】
 「実在児童を守るということには、もちろん賛成だし、そこにこそ力を尽くしていきたい」

 伊藤剛 (東京工芸大学教授) に訊く
 【国連等からの外圧による表現規制問題】
 「内面を描くことと性を描くことというのは、思われている以上に密接な結び付きがある」

 山口貴士 (弁護士) に訊く
 【創作表現規制問題】と【著作権強化による表現規制問題】
 「昨今の海賊版対策に対して違和感があるのは自分たちでできることをやっているのかってことなんですよ」

 兼光ダニエル真 (翻訳家) に訊く
 【創作表現規制問題】と【国連等からの外圧による表現規制問題】
 「あなたの正義を伝えたいならば、既存の枠組みを勉強しましょう」

 山田久美子 (デザイナー/女子現代メディア文化研究会代表) に訊く
 【国連等からの外圧による表現規制問題】と【著作権強化による表現規制問題】
 「デザインも法律を作るプロセスも似ている。手法に固執していてはダメ。捨てる勇気も必要です」

 坂井崇俊 (AFEE編集長) に訊く
 【民間による規制問題】
 「どういう立場で文句を言えるかと言ったら、それは消費者しかないんですよ」

 廣田恵介 (ライター) に訊く
 【創作表現規制問題】
 「僕らは子どもの頃から、戦ってもムダだという教育ばかりを受けている」

 城所岩生 (GLOCOM客員教授) に訊く
 【著作権強化による表現規制問題】
 「柔軟な制限規定は開発のためにのみ限られています。これでは日本版フェアユースには程遠い」

 山田太郎 (前参議院議員) に訊く
 【結びに替えて】



(61ページに引用しているチラシの説明文に、イラストの著者を開田先生と紹介した記述がありますが誤りでした。お詫びして訂正いたします。)


追記(2019年8月)

 中村公彦さんによる書評がティアズマガジンに掲載されました。

2019年8月『ティアズマガジン』vol.129、35ページ

2019年4月4日木曜日

児童ポルノ選択議定書ガイドライン草案に対するCBLDFからのコメント(仮訳)

 国連児童権利委員会が、2019年2月~3月にかけてパブリックコメントを募集した「児童ポルノ選択議定書の実施に関するガイドライン草案」について、米国コミック弁護基金(CBLDF)が提出したコメントの仮訳を以下に掲載します。(英語の本文はこちらです)



2019年3月29日

OPSCの実施に関するガイドライン草案へのコメント

児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書(OPSC)の実施に関するガイドラインの草案について、我々にコメントを提供する機会を与えて下さりありがとうございます。

Comic Book Legal Defense FundCBLDF)は、コミックメディアと、それを使用するクリエイター、小売業者、配給業者、出版社、司書、教育者、および読者のコミュニティの、合衆国憲法修正第1条に基づく権利について擁護することを目的としたアメリカの非営利団体です。

私たちは、子どもたちを搾取や虐待から守るためのあらゆる努力を称賛します。このガイドライン草案には、これらの目標を達成するのに役立つ可能性がある多くの側面があります。しかしながら残念なことに、このガイドライン草案には別の側面があり、私たちの懸念する方法によって、創作表現と犯罪行為とが混同されてしまっています。

61項では、児童ポルノの定義に、「絵や漫画」、「デジタルメディアの表現」、「印刷物またはオンラインで書かれた資料」などの表現内容が含まれると主張しています。 この主張は、合衆国最高裁判所が、New York 対 Ferber 判決において、児童ポルノを規制する政府の理論的根拠は、特に虐待記録を一掃し、そのような虐待記録を市場から根絶することによって、実際の子供を保護する点にあると述べたこととは対照的です。同じく合衆国最高裁は、Ashcroft 対 Free Speech Coalition において、児童ポルノの定義は絵や漫画などの創作的な画像には及ばないとの判決を下しています。政府にとっての切実な関心事は、実際の未成年者を虐待から保護することであって、創作表現を犯罪化することではないのです。

62項では、「締約国に対して、あらゆる形態の児童の性的虐待の素材を法律で禁止することを要請する」としています。CBLDFが弁護支援を行ったカナダでの訴訟 R.対 Matheson では、犯罪歴のない25歳のアメリカ市民が、誤って児童ポルノと定義されてしまった創作物のアート作品とともにカナダに入国したとして、起訴されました。事件が裁判所で解決するまでの2年間、彼は仕事や教育のためにインターネットを使うという権利すらも失いました。最終的に起訴は取下げられましたが、それはマセソンが訴訟費用ための数万ドルの借金を抱えてしまった後のことでした。U.S.対 Handley 事件では、政府は、わいせつな児童ポルノであると主張して、創作物のコンテンツを所持していた39歳の退役軍人であるクリストファー・ハンドリーを起訴しました。ハンドリーは裁判で争うことなく司法取引に応じました。彼には犯罪歴はなく、いかなる種類の実際の実写ポルノも持っていませんでした。判決文において、政府は、アダルト・コミック本の単なる所持が、刑務所での心理的治療と監視を続けることを必要とする「性的逸脱」の一類型に該当すると主張しました。これらの訴追は、実際の未成年者を保護するという結果にはなりませんでした、その代わりに、創作物のコンテンツの所持を理由に、コミュニティに脅威を与えない個人を罰したのです。

 パラグラフ63は、"委員会は、「疑似的な性的行為」には、オンライン・オフラインを問わず、現実または擬似的に露骨な性的行為に従事する子どもと見受けられるあらゆる人物の描写もしくはその他の方法によって表現したもの、および性的に露骨な活動に従事する子どもの写実的ないしはバーチャルな描写を含む、と解釈すべきであるとの見解である。そのような描写は子どもを性の対象として見ることを常態化することを促し、子どもの性的虐待物の需要を促進する。" と述べています。最後の一文の主張には論拠の欠如があります。創作コンテンツは現実ではありません。創作コンテンツでは、セクシュアリティ、暴力、犯罪行為に関するタブーが常に探求されてきました。近年の創作コンテンツをめぐる歴史においては、この委員会で採用されたのと同じメディア効果論の議論と関連したモラルパニックの周期が見られます。歴史的に、そのようなメディア効果の議論は疑わしいことが示されてきました。アメリカでは1950年代になると、少年非行の原因として漫画本が調査対象となり、メディア・コンテンツを揺るがすようなモラルパニックのプロモートが行われた結果、読者が大幅に減り、数千人のクリエイティブな専門家が仕事を失うことになりました。政府の最終報告とその後の学術的調査は、そのような関連性がないことを証明しましたが、それは弊害が出る前ではありませんでした。ごく最近では、社会における暴力の常態化と永続化に因果的な影響があるものとして、ビデオゲームが位置づけられています。ブラウン対EMAでは、合衆国最高裁判所は暴力的なビデオゲームを規制しようとする法律を無効にし、憲法違反であると判断しました。この事件では、社会科学研究を含むメディア効果仮説が裁判所に持ち込まれました。裁判所は、それらの研究について、因果関係ではなく相関関係のみを示すことを目的としたものであり、「せいぜい」彼らは「暴力的エンタテイメントへの接触と、非常に小さな現実世界への影響との間に、ある程度の相関関係」を示しただけであると認定しました。現実の人生の厄介な側面を描こうとするメディアの存在について、それらの否定的な実生活の行動を促進したり常態化したりするものであると提示してしまうことは、危険かつ不正確です。

ここまでの段落で説明したような方法による創作コンテンツの訴追は、最終的に、実際の被害者の保護から、いかなる児童虐待も犯していない創作コンテンツの読者や配給者の訴追へと転用されることでしょう。

以上のような懸念をかえりみず、児童ポルノの定義と訴追対象を、創作物の芸術作品や文章を含むものに拡大することは、非常に広い合法的な言論空間をも危険にさらします。ヤングアダルト向けフィクションは、セクシュアリティを日常的に取り扱っています。なぜなら、それはヤングアダルトの読者たちにとっての今の関心事であるからです。虐待サバイバーによる回顧録は、癒しのプロセスの一側面として、虐待の情景の詳細をしばしば描写して説明します。芸術と写真の主流作品は、未成年者が描かれた作品を含むヌードが探求され、描かれ、そして記述されてきた、一連の美術史の中に存在します。これらの合法的に探求されてきた分野のすべてが、本ガイドライン草案に含まれる政府への検閲の要請と、提案される法律が採用された場合に生じるだろう萎縮的効果による自己検閲によって、危険にさらされることになるのです。

児童権利委員会と世界中の政府が、児童の性的虐待を抑制するための行動をとっていることは称賛に値します。いかなる場合も、私たちの努力は、自由な表現を制限することではなく、本当の子供を守ることに向けられなければなりません。

これらのコメントをご検討いただきありがとうございます。


敬具

チャールズ・ブラウンスタイン
事務局長