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2020年11月25日水曜日

【講演】同人誌の無許諾ネット配信事件知財高裁判決について

【講演】同人誌の無許諾ネット配信事件知財高裁判決について
 いわゆる「二次創作」や「キャラ」の著作権法上の扱いが焦点となった2020年10月6日の知的財産高等裁判所判決(令和2(ネ)10018)について、情報法学者の白田秀彰先生に徹底解説して頂きました。ぜひご覧ください。



講師:白田秀彰さん (情報法学者/法政大学社会学部 准教授)
収録:2020年11月21日 (12月24日に公開予定で準備を進めていましたが、講師の白田先生が急ピッチで制作をしてくださり、前倒しで公開できることになりました。)

(1)【講演】同人誌の無許諾ネット配信事件知財高裁判決について
 https://youtube.com/watch?v=zd9m_Y7MI7o
(2)【講演】同人誌の無許諾ネット配信事件知財高裁判決について
 https://youtube.com/watch?v=JLmhMU-91NY
(3)【講演】同人誌の無許諾ネット配信事件知財高裁判決について
 https://youtube.com/watch?v=84YFiybDpH4

関連書籍:
『しなやかな著作権制度に向けて ― コンテンツと著作権法の役割』
 https://www.shinzansha.co.jp/book/b285049.html
『性表現規制の文化史』
 https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=825



 活動を継続するために、皆様からの寄付を必要としています。クレジットカード、銀行振込、ゆうちょ振替で簡単に決済できます。ぜひご協力ください。


2019年5月3日金曜日

『MANGAの自由 平成から令和へ』


平成時代のマンガ規制論争を振り返るインタビュー集『MANGAの自由 平成から令和へ』が、5月12日開催「COMITIA128」に出ます。
マンガ論争編集長:永山薫の他、前参院議員:山田太郎、AFEE編集長:坂井崇俊、うぐいすリボン理事:荻野幸太郎が結集。
 漫画家の竹宮惠子先生や赤松健先生を始め、平成のマンガ・アニメ・ゲーム等 (MANGA) 規制論争の歴史を知る人々に取材をさせて頂きました!

 表紙は何と竹宮惠子先生の「継がれゆく星」(『地球へ…』)より!

(表紙イラスト/竹宮惠子「継がれゆく星」より デザイン/山田久美子)


COMITIA128 (2019年5月12日) では1000円で販売します!
「ひ35b, AFEE」又は「マンガ論争特設ブース」でお求めください!


『MANGAの自由 平成から令和へ』 

 (発行:表現規制史出版会)

MANGA表現の自由を守る闘いに終わりはない
彼らはどう戦い、何を勝ち取ってきたのか?
その歴史と未来を12人に訊いた!

目 次


■マンガ『令和元年のディストピア』/りーるー

■イマココにある歴史と未来/編集部

■巻頭ロングインタビュー

 竹宮惠子 (漫画家/日本マンガ学会会長) を囲んで
 「日本で漫画が発展した理由はコミュニティがあるからなんですよ」

■ 11 人インタビュー

 赤松健 (漫画家) に訊く
 【創作表現規制問題】と【著作権強化による表現規制問題】
 「できれば漫画家主体で出版社と共同でプラットフォーム作ってくっていうのが、望ましい」

 水戸泉 (作家) に訊く
 【民間による規制問題】
 「そんな自主規制おかしいよ! 学園ものBL を取り戻した日」

 藤本由香里 (明治大学教授) に訊く
 【創作表現規制問題】
 「実在児童を守るということには、もちろん賛成だし、そこにこそ力を尽くしていきたい」

 伊藤剛 (東京工芸大学教授) に訊く
 【国連等からの外圧による表現規制問題】
 「内面を描くことと性を描くことというのは、思われている以上に密接な結び付きがある」

 山口貴士 (弁護士) に訊く
 【創作表現規制問題】と【著作権強化による表現規制問題】
 「昨今の海賊版対策に対して違和感があるのは自分たちでできることをやっているのかってことなんですよ」

 兼光ダニエル真 (翻訳家) に訊く
 【創作表現規制問題】と【国連等からの外圧による表現規制問題】
 「あなたの正義を伝えたいならば、既存の枠組みを勉強しましょう」

 山田久美子 (デザイナー/女子現代メディア文化研究会代表) に訊く
 【国連等からの外圧による表現規制問題】と【著作権強化による表現規制問題】
 「デザインも法律を作るプロセスも似ている。手法に固執していてはダメ。捨てる勇気も必要です」

 坂井崇俊 (AFEE編集長) に訊く
 【民間による規制問題】
 「どういう立場で文句を言えるかと言ったら、それは消費者しかないんですよ」

 廣田恵介 (ライター) に訊く
 【創作表現規制問題】
 「僕らは子どもの頃から、戦ってもムダだという教育ばかりを受けている」

 城所岩生 (GLOCOM客員教授) に訊く
 【著作権強化による表現規制問題】
 「柔軟な制限規定は開発のためにのみ限られています。これでは日本版フェアユースには程遠い」

 山田太郎 (前参議院議員) に訊く
 【結びに替えて】



(61ページに引用しているチラシの説明文に、イラストの著者を開田先生と紹介した記述がありますが誤りでした。お詫びして訂正いたします。)


追記(2019年8月)

 中村公彦さんによる書評がティアズマガジンに掲載されました。

2019年8月『ティアズマガジン』vol.129、35ページ

2019年2月8日金曜日

違法ダウンロード範囲拡大を考える院内集会

違法ダウンロード範囲拡大を考える院内集会

場所:参議院議員会館 101会議室
日時:平成31年2月8日(金) 午後2時から

登壇者(写真左から):
 赤松 健さん (マンガ家)
 竹宮 惠子さん (マンガ家/日本マンガ学会会長)
 藤本 由香里さん (編集者/明治大学教授)
 大屋 雄裕さん (法学者/慶應義塾大学教授)

司会
 荻野 幸太郎(NPO法人うぐいすリボン理事)


内容:  今国会での提出が予想される著作権法改正案。「違法ダウンロードの対象を違法アップロードされた著作物全体に拡大する」という方針に関しては、「一般国民を巻き込む危険が大きすぎるのではないか」「インターネット利用やいわゆる二次創作活動の萎縮を招くのではないか」等の危惧が指摘されており、法制小委員会でも意見が分かれました。  本集会では、様々な立場からの意見を伺いつつ、改正方針の何が問題とされているのか、規制範囲に適切な制限を設けるとすればそれはどういうものなのか等を論じました。

事務局:コンテンツ文化研究会、うぐいすリボン


配布資料:

■ 日本マンガ学会理事会「ダウンロード違法化の対象範囲拡大に対する反対声明」

■ 大屋雄裕教授講演「ダウンロード違法化 拡大の論点解説」

■ 山田奨治教授より「違法ダウンロード範囲拡大を考える院内集会」へのメッセージ

■ 前田健准教授(文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会委員)のレジュメ「ダウンロード違法化の対象範囲の見直しの論点」

■ 八田真行准教授(MIAU理事)からのメッセージ

■ 情報法制研究所(JILIS)「ダウンロード違法化の全著作物拡大に対する懸念表明と提言」


レポート記事:


■「意味のない法改正」「イラスト界が壊滅する」 違法ダウンロード対象拡大で漫画家らが“反対集会”  2019年2月8日 IT media

■ 実効性のない法律に意味はあるのか?「違法ダウンロード範囲拡大を考える院内集会」レポートと考察  2019年2月9日 HON.jp

■ 問題だらけの違法ダウンロード拡大、漫画家からも悲痛の叫び。参議院議員会館にて開催された院内集会レポ  2019年2月9日 すまほん!!

■ 違法ダウンロード範囲拡大は誰がために―「違法ダウンロード範囲拡大を考える院内集会」レポート  2019年2月12日 マンガ論争


当日取材報道:

■ 違法ダウンロードの対象拡大 漫画家らが反対集会  2019年2月8日 NHK ■ 違法ダウンロード対象拡大に漫画家ら反対 国会内で集会  2019年2月8日 共同通信
■ 海賊版DLの違法化、漫画家も反対「ちょっと行き過ぎ」
 2019年2月10日 朝日新聞


関連報道: ■ 画像や文書も…ダウンロード違法化、対象拡大?   2019年1月23日 読売新聞 ■ 海賊版DL規制、被害者の漫画家まで批判 拙速な文化庁   2019年1月25日 朝日新聞 ■ 「スクショ」違法に? DL違法化の拡大方針まとまらず   2019年1月25日 朝日新聞 ■ 静止画ダウンロード違法化に反対声明 日本マンガ学会   2019年1月25日 産経新聞

社説:
■ ダウンロード 罰則拡大は萎縮を生む
  2019年1月30日 京都新聞
■ 海賊版対策 過剰な規制が生む弊害   2019年2月10日 朝日新聞
■ ダウンロード規制拡大 ネットの自由、狭めぬよう
  2019年2月11日 毎日新聞

国の資料:
■ 文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会報告書の公表について
  2019年2月5日 文化庁

■ 著作権法改正案の提出見送りに至る経緯
  立法と調査 411号(平成31年4月15日)

2019年1月20日日曜日

講演会:ダウンロード違法化拡大の論点解説

 2019年1月20日に開催した講演会「ダウンロード違法化拡大の論点解説」にお越し下さった皆様、ありがとうございました。

演題:ダウンロード違法化拡大の論点解説
日時:2019年1月20日(日) 19時~20時30分
場所:あうるすぽっと (東池袋) 会議室B
講師:大屋雄裕さん (法哲学者/慶応大学教授)


内容:
 著作権法の改正に向けて、「文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会」の「中間まとめ」が出ました。
 ダウンロード違法化の拡大を始めとする、さらなる著作権の強化と処罰範囲の拡大については、不安の声もあがっています。
 本講演会では、情報法政策にも詳しい法哲学者の大屋雄裕先生(慶応大学教授)をお招きして、今回の著作権法改正問題を法理学の観点から解説して頂きました。

■ レジュメ
■ スライド
■ 講演抄録

主催:コンテンツ文化研究会、うぐいすリボン

報道:朝日新聞
 【海賊版利用、「一刀両断」に批判 ネット上のすべて違法化、「議論拙速」】




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2018年11月1日木曜日

署名キャンペーン:「静止画ダウンロード」の違法化を行わないで下さい

【2018年12月追記】

 文化庁の パブリックコメントが始まりましたので、今後はそちらへの意見送付をお願いいたします。
「文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会中間まとめに関する意見募集の実施について」



海賊版対策として、既に処罰化された映画・音楽に続いて、静止画のダウンロードについても違法化・処罰化が検討されています。
ストリーミングで配信されることが通常の海賊版マンガには何の効果もない一方で、インターネットを使って情報を気軽にスクラップすることができなくなるなど、多大な副作用のある立法であり注意が必要です。(検討対象の「静止画」には、「記事」の画像が幅広く含まれているようです)

そこで、署名サイト「Change.org」 にて下記の署名キャンペーンを始めました。
関心のある方は、ぜひ拡散をお願いいたします。



内閣府知的財産戦略推進事務局 御中

 現在、政府の一部において、「違法にアップロードされた静止画をそれと知りながらダウンロードする行為」を違法化することが検討されています。
 このような法改正が行われれば、人々は、インターネット上の情報を後で確認・検証するためにダウンロードして保存することを躊躇せざるを得なくなります。
 そうなれば、情報流通の自由やインターネットの利便性は損なわれ、インターネット上でどのような表現活動が行われたかの史的資料の保存も難しくなり、人々の知る権利は大きく制限されることになるでしょう。
 そのような事態を招かないよう、静止画ダウンロードの違法化は行わないで下さい。



参考資料(随時追加更新):
朝日新聞2018年10月30日
コラム:山田奨治 (情報学者/国際日本文化研究センター教授)

2018年10月23日火曜日

コラム:海賊版サイトブロッキングが去って、静止画ダウンロード違法化がやって来る?


山田 奨治 (国際日本文化研究センター教授)



 マンガ等海賊版サイトのブロッキング法制化の議論は、首相官邸に置かれる知的財産戦略本部「インターネット上の海賊版に関する検討会議」で委員の半数が反対して、報告書をまとめられない事態になった。この検討会は2018年3月19日に菅義偉官房長官が記者会見でブロッキング実施の意思があることをにおわせた後に作られたものであり、官邸を忖度する官僚にとってブロッキングは既定路線であったはずだ。住田孝之事務局長が最後の検討会で「最初から最後まで異例ずくめの会議でした」と振り返ったのは、反対意見を一応聞いたうえでシャンシャンにする会議のはずだったのにということだろう。

報告書に両論を併記してしまうと、政府はそれを根拠にブロッキングの法制化をしてしまいかねない。現政権の政治手法はそういう疑いを抱かせるに十分だ。わたしは、ブロッキングに反対した委員たちに賛同するし、両論併記の報告書を作ることも阻止した強硬姿勢を支持したい。

いや、報告書などまとまっていなくても、政権与党は数にものをいわせて議員立法にしてしまうことだってできる。何といってもブロッキング推進派は官房長官に発言させるほどの力をもっているのだ。3月19日の記者会見で官房長官に上記の発言をさせる質問をしたのが、KADOKAWA傘下のドワンゴの社員だったことと、検討会議でブロッキング法制化を執拗に主張したのがカドカワ社長の川上量生だったことを、よく味わいたい。彼らは筋書きをもって動いていたとみえるし、あるいは議員立法に向けたロビイングを、すでにしているかもしれない。

 そんな勝手な憶測は脇におくことにして、ブロッキング法制化以外の手法に官民をあげて取り組むことには誰も反対していない。そこで改めて浮上してきたのが、違法にアップロードされた静止画をそれと知りながらダウンロードする行為を違法にすること、すなわち静止画ダウンロード違法化である。

静止画ダウンロード違法化は、6月22日の第1回検討会議で事務局が出した「タスクフォースにおける主な論点(案)」に「違法アップロードされた静止画のダウンロードを私的複製の対象外とする」という形で最初から入ってきた。実は米国は日本政府に対して、デジタル環境下では私的複製の範囲を限定せよという要求を2000年の時点で行っていた。そして2010年に、音楽と動画に限って違法にアップロードされたファイルをそれと知りながらダウンロードする行為を違法にした(いわゆる違法ダウンロード違法化。詳しくは拙著『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』第4章)。それからさらにわずか2年後の2012年には、多くの専門家の危惧に耳を傾けることもなく、業界団体のロビイングを受けた議員立法によって、違法ダウンロードのうちの一部の行為を刑事罰の対象にした(詳しくは拙著『日本の著作権はなぜもっと厳しくなるのか』第3章)。実は米国は、違法ダウンロード違法化を音楽と動画に限らず、すべての種類の著作物に拡大するよう、2011年に日本政府に要求している(詳しくは拙著『日本の著作権はなぜもっと厳しくなるのか』第1章)。静止画ダウンロード違法化が論点にあがった背景にはこれもある。

 米国の要望が、日本の立法にはたしてどれだけの影響を及ぼすものなのだろうかとの疑問はあるだろう。おなじように米国から要望されつづけ、実現してしまいそうなことに著作権保護期間延長がある。保護期間延長は国内に根強い慎重論があり、ずっと棚上げにされていた。TPP交渉で米国から再び延長を迫られた結果、国内からの危惧の声と議論の積み重ねを無視して協定を結んだ。そして他国に率先して法改正をし保護期間を延長したものの、肝心のTPPから米国が抜けて改正法の施行が宙に浮いていた。そんななか、EUとの経済連携協定のなかに保護期間延長を目立たぬように潜ませ、TPP11で延長義務がなくなったにもかかわらず、その批准のための法改正のなかで延長を再び決めてしまった。このように日本の著作権法は、もはや米国に忠実であらんがために変えられる状況に陥っている。

 そんななか、静止画ダウンロード違法化はブロッキングによらない海賊版対策として、ブロッキング反対派を含む複数の委員が支持した。しかしそれを危険視する声もあった。音楽と動画に限った違法ダウンロードを違法化・刑事罰化にしたときも、はたして実効性があるのか、インターネットの利便性が損なわれる、個人が家庭内で行う行為に公権力を及ぼすことには抑制的であるべきだ、といった意見があった。

ネットユーザーにとっては、写真やイラストをダウンロードして私的に使用するのは日常的な行為といえる。それを違法にしてしまうと国民生活への影響があまりに大きい。そもそも、問題になったマンガ海賊版サイトはストリーミング配信であり、静止画のダウンロードを伴わない。しかし、検討会の中間まとめ(案)には、それらに留意しながらも、「直ちに検討を行うことが適当」(40頁)と書かれてある。

 こうしたことを踏まえると、ブロッキング法制化によらないマンガ海賊版対策のひとつとして、著作権法を改正して、違法にアップロードされた静止画をそれと知りながらダウンロードすることを違法にしたり、刑事罰をつけたりすることが、これから検討されることになるのかもしれない。

静止画ダウンロード違法化は、これだけ取ってみれば大問題なのだが、それでもブロッキングよりはマシだといった論理がまかりとおるのだろうか。





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2018年4月16日月曜日

著作権侵害サイトのブロッキング問題に関するシンポジウム

著作権侵害サイトのブロッキングをめぐる問題に関して、さっそく二つのシンポジウムが開催されます。


緊急シンポジウム「これからのネットづくりと海賊サイトへのブロッキング要請を考える」
 http://icc-japan.blogspot.jp/2018/04/blog-post_14.html

 一つ目は4月18日(水)で、こちらはマンガやゲームなどの表現規制に反対している「コンテンツ文化研究会」さんの主催によるものです。お声掛けを頂き、「うぐいすリボン」も共催団体に名前を入れさせて頂きました。
【緊急開催】著作権侵害サイトのブロッキング要請に関する緊急提言シンポジウム 
 続いては、4月22日(日)で、こちらは鈴木正朝先生が理事長をされている「情報法制研究所(JILIS)」さん主催のものです。先日発表されたJILISの意見書にもお誘いを頂き、荻野(うぐいすリボン理事)も賛同者として末席に加わらせて頂いております。

2017年9月12日火曜日

米国離脱後のTPPと改正著作権法の行方

寄稿:山田奨治 (情報学者 国際日本文化研究センター教授)



 日本はTPP合意を期に、著作権の保護期間を70年に延長し、一部非親告罪化するなどの法改正をした。そして改正法施行の条件であるTPPの発効を待っている。ところが事前の予想通り、米国の新政権はTPPから離脱し、12カ国が合意した協定は宙に浮いてしまった。それにより改正著作権法は、成立したが施行される見込みのない「塩漬け」状態になっている。
 著作権を含む知財保護強化は、米国が強く主張してTPPに入ったものだ。それを呑むことで米国を含む自由貿易協定が実現するなら、総合的にメリットがあると判断したからこそ合意したのだ。米国が抜けたのならば知財保護強化はやめないと、米国から何も得ないまま譲歩だけすることになる。
 その米国抜きでTPPを進めようという、いわゆるTPP11の協議が行われている。報道によると、一部の国は知財部分の凍結を、当然のように主張している。ところが日本からもそうした主張をしているとは伝えられない。国益を訴えてTPP参加を決めたひとびとが、そうした態度なのはどうにも理解に苦しむ。
 それよりも気になるのが、TPPもTPP11もRCEPも密室協議で、そこで物事を決めて国内法を変える手法に、わたしたちが慣らされつつあることだ。グローバル化の推進者が国民国家を動かす力とスピードに、民主主義の深化が追いついていない。それが、いま多くの国で国民が直面している課題である。





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2016年6月4日土曜日

講演会「日本の著作権はなぜもっと厳しくなるのか」

 2016年6月4日に開催した講演会「日本の著作権はなぜもっと厳しくなるのか」には、図書館や出版の関係者を中心に、約50人の方が参加して下さいました。講師の山田奨治先生と、参加者の皆様に、御礼申し上げます。


演題:
 日本の著作権はなぜもっと厳しくなるのか
講師:
 山田奨治さん (国際日本文化研究センター 教授)



日時:
 2016年6月4日(土) 17時~18時30分
場所:
 キャンパスプラザ京都 第3講義室



内容:
 2016年2月に日米等12カ国が署名したTPPが、日本の著作権制度にどのような変化をもたらすのか、国際日本文化研究センター教授の山田奨治先生に、これまでの著作権問題を巡る背景的な議論も含めて解説をして頂きました。

主催:
 NPO法人うぐいすリボン
共催:
 女子現代メディア文化研究会
 表現規制を考える関西の会
後援:
 株式会社 人文書院

■ 講演抄録:「日本の著作権はなぜもっと厳しくなるのか」
■ 当日配布資料





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2015年12月15日火曜日

韓国訪問に関して

 11月22日から25日にかけて韓国ソウルを訪問して、著作権及び非実在児童ポルノの関連法制について各界との意見交換を行いました。


(韓国国会の本会議場にて)

 山田太郎 参院議員 (MANGA議連事務局長代行) から、マンガ規制が実際に施行された場合にどういうことになるのか実態を踏まえて考えたいとのお申し出があり、うぐいすリボンと以前から交流のあった韓国の国会議員やNGO関係者などを紹介させて頂いた次第です。




関連記事:

◆ 韓国でのマンガ・アニメ・ゲームの表現の自由調査結果資料(山田太郎事務所)
 http://taroyamada.jp/?p=8347

◆ ウェブマガジン:MANHWAIN  (韓国語)
 「日本の山田太郎 国会議員 訪韓 - アチョン法、著作権改正に関連した調査のためオープンネット訪問」
 http://manhwain.com/xe/article/5249

2015年8月14日金曜日

韓国弁護士連合会の声明

韓国弁護士連合会の声明
http://www.koreanbar.or.kr/notice/board04_list.asp


著作権法第140条の早急な改定を求める

[성명서]저작권법 제140조의 조속한 개정을 촉구한다

1957年に制定された著作権法は、権利侵害の救済方法に関して民事的な方法を優先しながら、刑事的には、被害者の告訴がなければ処罰することができない親告罪とした。

しかし、2006年著作権法の改定により、いくつかの著作権侵害行為が非親告罪化された後、第3者による著作権関連の刑事通報が急増し、善意の被害者が量産されているのが実情である。

一般的な犯罪とは異なり、著作権の場合には、権利を侵害された被害者は、損害賠償を受ければ処罰を望まない場合が殆どであることから、著作権者の意思に反して捜査が行われたり、第3者の告訴する権利を認めることは、著作権制度の意義と著作権の人格権的性格にも合致しない。

国会は、いくつかの団体が国家刑罰権を悪用して、多数の善意の被害者を量産する現実を直視して、一刻も早く著作権法140条に規定された非親告罪の規定を親告罪化すべきである。



2015.7.20

2015年6月14日日曜日

「マンガ・アニメ・ゲームキャラクターの人物表現における類似判定に関する調査」報告会

 2015年6月14日に開催した「マンガ・アニメ・ゲームキャラクターの人物表現における類似判定に関する調査の中間報告会」には、著作権や同人文化に興味をお持ちの方を中心に約70人が参加して下さいました。また、同時に開催した「同人誌調査員」の選抜会にも多数の方が応募して下さいました。参加者・応募者の皆様に、この場を借りまして、御礼を申し上げます。


報告者:白田秀彰 (法政大学社会学部 准教授)

(写真提供:マンガ論争編集部)


日時: 2015年06月14日(日) 18時30分から
場所: 文京シビックセンター26階・スカイホール

内容: 
 著作権のあり方とキャラクターの表現の類似性の問題について、調査研究を行っている法政大学の白田秀彰准教授をお招きして、現在行っている実証研究の中間報告をして頂きました。 



【報告者:白田秀彰氏より】
 マンガ・アニメ・ゲームを主題とした二次創作同人誌は、一般的な認識として、何らかの形態で著作権を侵害しているものと評価されている。こうした一般的な認識があるため、法の改正や侵害規定の変更で、取り締まりが強化されるという懸念を生んでいる。たとえばTPPに伴って非親告罪化されれば、著しく取り締まりが強化されるといった主張である。 

 ところが、著作権の判例や学説をみると、著作権の侵害は、特定の部分ではなく全体的な類似性で評価されるべしとされており、あるいは創作性のある部分のみが保護され、事実の記述や平凡な表現が類似していても侵害ではないとされている。また、画風や作風は保護の対象ではなく、具体的な表現ではないアイデアもまた保護の対象ではないとみるのが通説である。 

 すると、二次創作同人誌は、原作から逸脱した物語に原作とは別の構図やポーズの絵を組み合わせて制作されているのだから、そもそも著作権を侵害したことにはならないと考えるべきである。しかし、そのように一般に認識されていない理由は、原作の「世界観」や「キャラクター」を用いているからであると考えられる。ところが「世界観」はまさにアイデアであり、これを著作権で保護することは困難であろう。また「キャラクター」については著作権の保護が及ばないことが通説である。とすれば、二次創作同人誌は本質的に著作権侵害にあたらないことになる。 

 この問題点に気が付いている一部の実務家や研究者は、絵画表現としての「キャラクター」に対して著作権の保護を及ぼすべきことを主張している。その立論には一定の説得力があると考える。とはいえ、それは原作の「キャラクター」を用いた場合である。二次創作同人誌で描かれている「キャラクター」が、そもそもオリジナルと似ていなければ、「原作へのアクセス」と「原作との類似」で侵害となるとする著作権法の原則から考えて、侵害に当たらないと考えるべきだろう。 

 こうした問題意識を背景にして、2012年から2014年まで、一般の人がマンガ・アニメ・ゲームキャラクターの人物表現に対して、どのように「似ている・似ていない」を判定し、またそれはどのような傾向を持つのかを調査してきた。その結果、調査用に準備したキャラクターのイラスト群に対して、一般的な傾向が存在することが明らかになった。2015年では、この一般的な傾向と合致する類似判定を行う調査員を10名程度集め、さらに類似判定に関する調査を継続する予定である。 

 本報告会は、2014年までの研究の成果概要について報告し、関心のある諸氏と意見交換し、また、2015年調査のための調査員選抜のためのアンケートを実施することを目的としている。性質上、アンケートは報告会に先だって行われる。拘束時間は30分ほどを予定している。このアンケートには謝金が支払われる。一般的な類似性判定傾向をもつとして選抜された被験者には、調査員として業務の委託を依頼する予定である。この業務の期間は、8月24日~9月12日のうち任意の三日を予定している。 (白田秀彰)


参照:
 コンテンツの創作・流通・利用主体の利害と著作権法の役割

2015年3月9日月曜日

TPPと著作権法非親告罪化について考える

 2015年3月9日に衆院会館で開催した「TPPと著作権法非親告罪化について考える」には、約80人の方が参加して下さいました。
 講師の山田奨治先生、会場手配をして下さった阿部知子議員、急遽スピーチをして下さった徳永エリ議員と山田太郎議員、その他ご支援くださった与野党の関係者様と、参加者の皆様に、御礼を申し上げます。


(写真提供:マンガ論争編集部)

演題:
 TPPと著作権法非親告罪化について考える
講師:
 山田奨治さん (国際日本文化研究センター教授)
日時:
 2015年3月9日(月) 17時~19時
場所:
 衆議院第2議員会館 第1会議室
主催:
 NPO法人うぐいすリボン

内容:
 TPP交渉で難航している分野の一つが知的財産権分野です。
 中でも著作権法の非親告罪化の是非が注目を集めていますが、日本とアメリカとでは著作権制度の体系が大きく異なるため、仮にTPPでこれが締結された場合、その後の国内法整備を適切に行わなければ、日本のコンテンツ利用や情報通信への深刻なダメージが予想されます。
 本講演会では、TPPと著作権法の今後について、「条約で求められる適用範囲」と「国内法整備段階における裁量余地」の問題、日本における「著作物登録制度」や「フェアユース規定」の是非、米国で検討中の「TPA法案」の問題などを中心に、著作権法制に詳しい国際日本文化研究センター教授の山田奨治先生に解説して頂きました。

【当日の配布資料】



【ニコニコ動画】
(本講演の動画を、一般社団法人インターネットユーザー協会さんが撮影・投稿して下さいました。ぜひご覧くださいませ。)



◆紹介記事

 BLOGOS編集部

 弁護士ドットコムNews
 <TPP>著作権侵害の「非親告罪化」が実現したら、どんな問題点があるのか?