2012年7月17日火曜日

脚本家:高間響さんインタビュー

 東京都青少年健全育成条例(通称:非実在青少年条例)をテーマにした演劇で注目を集めた劇団「笑の内閣」の脚本家:高間響さんに、リバイバル公演される『非実在少女のるてちゃん』について、お話をうかがってきました。 



【非実在青少年条例を芝居に】

もう、うちらの劇団の名前「笑の内閣」から分かると思いますけど、三谷幸喜さんの『笑の大学』にものすごい影響を受けました。中学生の時にあれを見て、本気で芝居をしたいと思った。
 まぁ、その影響だけじゃないですけど、「表現の自由」とか「検閲」のことは、ずっと自分の中にテーマとしてあったんです。
 だから、東京都の青少年条例:非実在条例のことがあったときは、これを芝居にしない手は絶対無いと思ったんですわ。



【放っておいてくれ!!】

まずはっきりとさせておきたいんですが、実在の子どもに手を出すのは許されんことです。
 でも、そうではなく誰に危害を加えるわけでもないこと、例えばこの「非実在」の話なんかそうですけど、そういうことを法律やら条令やらで口出しされたくないって思うんですわ。
 人間って色々とあるやないですか、他人から世話を焼かれたくないこと、口出しされたくないことって。そこの部分に踏み込んでくる非実在条例に対して、まず単純に「放っておいてくれ!!」ってことが言いたかった。

【「反社会的」と上演拒否に】

新聞でも報道されたんで、知ってる方もいると思いますが、実はこの芝居、東京のある劇場から上演拒否にあってるんです。「内容が反社会的だから、うちの劇場ではやらせん」って。
 その時は、僕らも抗議したし、劇作家協会も抗議したりってことになって、けっこう騒ぎになりました。
 でも、実は劇場が断った本当の理由は、内容云々じゃなかったらしいんです。一度は条件的に上演を認めちゃったんだけど、後から条件面でやっぱり止めたいってなって、それで契約を断る口実として「反社会的」ってのを言い出した、と。
 その話を後で聞いて、僕としては、余計に腹が立ったし、これはマズいって思った。
 だって劇場って、演劇の関係者じゃないですか。その関係者が、「反社会的だからダメ」なんてことを、平気で言っちゃう。そういう意識のあり方にスゴイ危機感を持ったんですね。
 そもそも僕らは、演劇をやってる人間です。その僕らに対して、「契約の条件面で折り合えないからダメ」って言うよりも、「内容が反社会的だからダメ」って言う方が、穏便に済むと思われてるんだとしたら、これは大問題やし、絶対に騒いで戦わなと思いました。

【『非実在少女のるてちゃん』再公演】

今回の『非実在少女のるてちゃん』は、前回の時と、ほとんど話の筋は変わってません。古くなったオタクネタを、新しいのに置き換えたりしてる程度です。
 でも、演出は前回とはガラっと変えましたんで、前に観た方にも、きっと楽しんでもらえると思います。
 ぜひ新しくなった『のるて』を、劇場に観に来てください。


東京公演 http://confetti-web.com/detail.asp?tid=113137
名古屋公演 http://confetti-web.com/detail.asp?tid=113405
北海道公演 http://confetti-web.com/detail.asp?tid=113525
大阪公演 http://confetti-web.com/detail.asp?tid=113526