2019年9月、国連児童権利委員会が、児童ポルノ選択議定書の運用ガイドラインを策定しました。存在しない児童の表現への児童ポルノの定義拡大が燻り続けるこの問題について、うぐいすリボンでは懸念を共有する海外の市民団体との国際協力を進めています。
今回は、非実在児童ポルノ事件で捜査を受ける漫画家や翻訳家等への司法支援活動を展開する韓国のNGOオープンネットさんが主催するトークセッションを後援し、日本からの登壇者として、理事の荻野幸太郎と、ネット・アクティビストの八田真行さんを派遣しました。
トークセッション:
「イマジネーションと行為との差異、そして政府の役割 非実在児童ポルノとセックスドールをめぐる問題」
日時:2019年10月4日(金) 14:45~17:30
場所:スタートアップ・アライアンス・センター(ソウル市カンナム区)
2019年9月10日、国連児童権利委員会は、各国の児童ポルノ法に、存在しない児童または児童のように見える人の表現を含めることを奨励するガイドライン(パラグラフ63)を発表しました。
“include in their legal provisions regarding child sexual abuse material (child pornography) representations of non-existing children or of persons appearing to be children, in particular when such representations are used as part of a process to sexually exploit children (para. 63).”
韓国で、児童青少年性保護法が類似の趣旨で改正された際には、児童性的虐待で捜査される人の数が22倍にも増加する事態が起きており、その問題を通じてこのガイドラインの意味について議論しました。また、イマジネーションと行為との間のギャップと、その領域における政府のあるべき役割を、セックスドールの問題を題材に議論しました。
モデレーター:
パク・ギョンシン (高麗大学教授/オープンネット)
パネラー:
ダニエル・モグスター (国連人権理事会事務局)
荻野幸太郎 (NPOうぐいすリボン)
ジェレミー・マルコム (プロスタシア財団)
八田真行 (駿河台大学准教授)
イ・ソンオク (ライター、ジェンダー・イクオリティ・アクティビスト)
ヤン・ホンソク (弁護士)
ケリー・キム (オープンネット)
主催:オープンネット
後援:うぐいすリボン
■ 当日のレポート記事(オープンネット)
(国連表現の自由問題特別報告者のデイビッド・ケイ氏が登壇の予定でしたが、ご親族のご不幸があり、やむを得ずの欠席となりました。また、通信状況の不具合により、髙山佳奈子氏のビデオ参加がかないませんでした)
皆様へのお願い
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